- 全館空調システムって本当に必要なの?
- 電気代が高くなりそうで心配…
- 高額な設備を採用して後悔したくない!
実は、全館空調システムには知っておくべき重要なデメリットがいくつもあります。でも、それを理解した上で導入を検討すれば、快適な住環境を手に入れることができます。
なぜなら、全館空調システムは初期費用や電気代が高いというデメリットがある一方で、家全体を快適な温度に保ち、温度差による健康リスクを軽減できるからです。
- 全館空調システムの具体的なデメリット
- デメリットへの対処方法
- システムを使わない代替案
- 導入前に確認すべきポイント
この記事を読むと、全館空調システムのメリット・デメリットを正しく理解し、本当に必要かどうかの判断ができるようになります。
「全館空調」の考え方は取り入れるべきですが、「全館空調システム」はオススメしません。デメリットをしっかり確認した上で、採用を検討しましょう。
家族の健康と快適な暮らしのために、ぜひ最後までお読みください。
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「全館空調」と「全館空調システム」の違い
「全館空調」と「全館空調システム」について、その違いを詳しく解説していきます。
- 「全館空調」は家全体の室温が一定になるように管理すること
- 「全館空調システム」は1台のエアコンで家全体を空調する仕組みのこと
「全館空調」は家全体の室温が一定になるように管理すること
「全館空調」とは、家全体を均一な温度に保つための空調管理の考え方です。トイレや廊下、玄関など、すべての空間を快適な温度に保つことを目指します。
- 部屋ごとの温度差がなくなる
- ヒートショックのリスクを軽減できる
- 24時間換気と組み合わせて空気環境を整える
従来の日本の住宅では、リビングと寝室など部屋ごとに温度差が生じやすい問題がありました。全館空調なら、家のどこにいても快適に過ごせます。
「全館空調」とは、家全体の温度を管理する考え方です。
「全館空調システム」は1台のエアコンで家全体を空調するシステムのこと
「全館空調システム」とは、1台の空調機器で家全体の温度を管理する具体的な設備のことを指します。天井や床下に設置された機器とダクトを使って、家全体に温度管理された空気を送ります。
- 業務用エアコン + ダクト
- 壁掛けエアコン + 空調室 + ダクト
- 床下エアコン + 屋根裏エアコン
初期費用は100万円から300万円程度かかりますが、一般的なエアコンを各部屋に設置するよりも、ランニングコストを抑えられる場合もあります。
「全館空調システム」は、具体的な設備や機器のことを指します。
全館空調システムのデメリット
全館空調システムには、以下のようなデメリットがあります。導入を検討される際は、これらの点を十分に理解しておく必要があります。
- 導入費用が高い
- 電気代が高い
- 修理費用が高い
- 修理に時間がかかる
- システムを止めると換気も止まる
- ダクト内の清掃ができない
- 部屋ごとの温度調整が難しい
- 空気が乾燥しやすい
- 音が気になる場合がある
- 施工の難易度が高い
導入費用が高い
全館空調システムの導入には、かなりの初期投資が必要となります。一般的な住宅での導入費用は100万円から300万円ほどになります。
- 専用の空調室の設置
- 複雑な配管やダクト工事
- 高性能な制御システム
- 換気システムの統合
住宅ローンに組み込むことで月々の支払いを抑えることは可能です。35年ローンの場合、月額3,700円から8,000円程度の支払い増加で対応できます。
初期費用が高いので、メリットとデメリットをしっかり比較した上で採用を検討しましょう。
電気代が高い
24時間365日稼働することを考えると、一般的なエアコンよりも電気代が高くなりがちです。月々の電気代は平均して8,000円から15,000円ほどかかります。
- 温度設定をこまめに調整する
- 不在時は設定温度を控えめにする
- 季節の変わり目は換気モードを活用する
高気密・高断熱の住宅であれば、電気代を抑えることも可能です。ただし、断熱性能が低い家では、電気代が大幅に上がってしまう可能性があります。
電気代は使い方次第で変わってきます。上手な使い方を覚えれば、それほど高額にはならないかもしれません。
修理費用が高い
全館空調システムの修理費用は、一般的なエアコンと比べてかなり高額になります。修理費用は10万円から100万円程度かかる場合もあります。
- 専門的な技術が必要
- 部品が特殊
- システム全体に影響
業務用エアコンを使用するタイプでは、故障時に壁掛けエアコンへの切り替えを選択する家庭も多いようです。
業務用エアコンから壁掛けエアコンへの切り替え時には、換気をどうするか考える必要があります。
修理に時間がかかる
全館空調システムの修理には、一般的なエアコンよりも長い時間が必要です。修理完了まで1週間以上かかることも珍しくありません。
- 専門業者の手配が必要
- 部品の取り寄せに時間がかかる
- システム全体の調整が必要
真夏や真冬の故障は生活に大きな影響を与えるため、予備の冷暖房手段を考えておく必要があります。
修理期間中の対策も含めて、事前に検討しておくことをオススメします。
全館空調システムを止めると換気も止まる
全館空調システムは換気機能も兼ねているため、システムを停止すると換気も同時に止まってしまいます。
- 室内の空気が淀む
- 二酸化炭素濃度が上昇
- アレルギー症状が悪化する可能性
24時間換気は建築基準法で義務付けられているため、システム停止時の換気対策も必要です。
換気は健康に直結する重要な要素です。故障時の代替案も考えておきましょう。
ダクト内の清掃ができない
全館空調システムの大きな課題として、ダクト内部の清掃が実質的にできないという問題があります。
- 構造上アクセスが困難
- 専用の清掃口がない
- 清掃方法が想定されていない
ただし、フィルターによる二重の防護があるため、通常の使用では深刻な汚れは発生しにくいとされています。
フィルターのこまめな清掃で、ダクト内の汚れを最小限に抑えることができます。
部屋ごとの温度調整が難しい
全館空調システムでは、各部屋の温度を個別に細かく調整することが難しいという特徴があります。
- 個人の好みに対応しづらい
- 急激な温度変更が苦手
家族それぞれの温度の好みが異なる場合は、補助的な暖房器具などの併用を検討する必要があります。
家族の生活スタイルや温度の好みを考慮して、導入を検討しましょう。
音が気になる場合がある
機器本体や吹き出し口から運転音が発生する可能性があり、特に夜間は気になることがあります。
- 機器本体の設置場所から寝室を離す
- 防音材の使用
- 低騒音タイプの選択
特に機器本体の近くの部屋では、就寝時に音が気になる可能性があるため、設置場所の検討が重要です。
寝室から離れた場所に本体を設置するなど、設計段階での工夫が大切です。
施工の難易度が高い
全館空調システムの施工には、高度な技術と経験が必要です。
- 複雑なダクト設計
- 高気密・高断熱施工との連携
- 精密な制御システムの調整
信頼できる施工業者の選定が、システムの性能を最大限に発揮するための重要なポイントとなります。
実績のある施工業者を選ぶことで、快適な全館空調システムを実現できます。
全館空調システムのメリット
全館空調システムには、住まいの快適性を高める様々なメリットがあります。特に以下の2つの特徴が大きな魅力となっています。
- 冷暖房器具が目立たない
- 間取りの自由度が高い
冷暖房器具が目立たない
全館空調システムは、天井や床下、空調室に設置されるため、室内の見た目がすっきりとした印象になります。従来のエアコンのように壁に取り付ける必要がないため、インテリアの邪魔をせず、統一感のある空間づくりが可能です。
- 壁掛けエアコンが不要
- ストーブやファンヒーターの設置が不要
- 吹き出し口がシンプルでスタイリッシュ
また、室外機の数も1台か2台程度で済むため、外観の美観も保てます。エアコンの室外機が並ぶような光景とは無縁で、すっきりとした外観を実現できます。
インテリアや家の外観にこだわりたい方にはオススメ!
間取りの自由度が高い
全館空調システムの大きな特徴として、間取りの制約が少なく、自由な空間設計が可能になります。従来のエアコンでは難しかった吹き抜けのある大空間や開放的なLDKなども、快適な温度環境を保つことができます。
- 部屋の仕切りが不要
- 吹き抜け空間も快適に
- 窓の配置を自由に決められる
温度管理の心配なく理想の間取りを実現できるため、家族が自然と集まるような開放的な空間づくりが可能です。また、将来的なライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。
間取りを考える際にエアコンの設置位置を考えなくていいのでストレスが減ります。
全館空調システムを使わずに全館空調する方法
正直なところ、全館空調システムはデメリットが多いので、あまりオススメはできません。ここでは全館空調システムを導入せずに、家全体を快適な温度に保つ方法をご紹介します。
- 家の断熱性や気密性を高める
- 壁掛けエアコンを各部屋に設置する
- 冬はリビングエアコン1台で家全体をまかなえる
- 夏は2階のエアコンも稼働させる必要あり
家の断熱性や気密性を高める
高気密・高断熱な家づくりは、快適な室内環境を実現するための基本となります。
- 天井裏や屋根裏への断熱材施工
- 壁材の断熱性能向上
- 床下への断熱材設置
- 窓やサッシの断熱強化
気密性を高めるには、壁や天井、床の接合部、配管や配線の通り道などの隙間をしっかりと埋めることが重要です。断熱施工後の気密測定は必ず実施しましょう。
断熱と気密は、エアコンの効率を左右する重要なポイントですよ。
壁掛けエアコンを各部屋に設置する
各部屋に適切な能力の壁掛けエアコンを設置することで、効率的な温度管理が可能になります。
- 部屋の広さに合わせた性能選定
- 省エネ性能の高い機種
- 風向や風量の調整機能
- 温度センサーの性能
各部屋の用途や日当たりを考慮して、適切な能力のエアコンを選びましょう。寝室は静音性の高いモデルがおすすめです。リビングには少し大きめの能力のエアコンを設置すると、隣接する部屋まで空調効果が期待できます。
各部屋にエアコンを設置することで、個人の好みに合わせた温度調整が可能になります。
冬はリビングエアコン1台で家全体をまかなえる
高気密・高断熱の家では、冬季はリビングの1台のエアコンで家全体を暖めることが可能です。暖かい空気は上昇する性質があるため、1階のリビングを暖めることで、2階も適度な温度に保たれます。
- リビングの温度を適切に設定
- 扉を開けて空気の流れを作る
- 24時間換気システムを活用
冬は暖かい空気が自然と上昇するので、1階のエアコンを上手く活用しましょう。
夏は2階のエアコンも稼働させる必要あり
冷たい空気は下降する性質があるため、夏季の2階の温度管理には別途エアコンの設置が必要になります。特に日中は2階に熱がこもりやすいため、適切な温度管理が重要です。
- 2階の主要な部屋にエアコンを設置
- 遮熱・断熱対策の実施
- 早めの冷房運転開始
夏は2階の温度管理が特に重要になりますので、計画的なエアコン設置を検討してください。
まとめ|全館空調システムのデメリットと対策
全館空調システムは、メリットとデメリットを十分に理解した上で、導入を検討する必要があります。初期費用や電気代の高さ、修理の難しさなどを考慮すると、採用をオススメすることはできません。
- 住宅の断熱性能と気密性
- 家族の生活スタイル
- 予算と維持費用
- メンテナンス体制
高気密・高断熱な家づくりと適切なエアコン配置で、全館空調システムを導入しなくても、全館空調を実現する方法もあります。
まずは住宅メーカーに相談して、ご家族に最適な空調方式を見つけてみてはいかがでしょうか。
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