- 今まで気にしてなかったけど「気密」ってそんなに重要なの?
- 「気密」の何を確認すればいいのかわからない…
- 「気密」の仕様のオススメを教えてほしい
実は、家づくりにおいて「気密性能」はとても重要です
なぜなら、気密性能で失敗すると「不健康住宅」になってしまうからです
また、気密性能はハウスメーカーの商品ごとにある程度決まっているため、気密性能を確認せずにハウスメーカーを選ぶと失敗します
私は、大して勉強もせずに家づくりを始めてしまい、セキスイハイムと契約して家づくりをしている途中で気密/断熱性能の重要性に気づき、契約解除をしてアイ工務店に乗り換えるという大失態を犯しました
この記事では、「家づくりにおける気密の重要性」から「気密性能でチェックすべき項目」「高気密住宅のデメリットと対策」まで、「気密」に関することについて徹底解説します
この記事を読めば、高気密/高断熱な家づくりに必要な「気密」についての知識を手に入れることができ、ハウスメーカー選びでの失敗を防ぐことができます
「気密」についての正しい知識を身に着け、「夏は涼しくて冬は暖かい」快適なマイホームを手に入れましょう!
家の快適性を担保するためには高気密住宅にすることは必須ですが、高気密住宅は隙間がないため自然に換気が行われません
家が換気不足になってしまうと、いろんな健康被害が出てきます
そのため、「適切な換気」がとても重要となりますが、窓を24時間開けたままにするのは不可能ですので、「24時間換気システム」が重要になってきます
「高気密住宅」と「換気システム」は必ずセットで考えるようにしましょう
気密性能が低いと生じる3つの問題
まずは、家づくりにおける「気密」の重要性を理解するために、気密性能に失敗した際に生じる問題を把握しておきましょう
気密性能が低いと、大きく分けて3つの問題が生じます
夏は暑くて冬は寒くなる
「気密性能が低い」ということは「隙間だらけの家」ということです
隙間が多いと、そこから外の熱気や冷気が入ってきますし、せっかく冷暖房で適温にした室内の空気も逃げていきます
そのため、どれだけ断熱性能にこだわったとしても、気密性能が低いと「夏は暑くて冬は寒い家」になってしまうのです
夏は暑くて冬は寒い家には、以下のようなデメリットがあります
- 家の快適性が低くなる
- 光熱費が高くなる
- 内部結露で家の寿命が短くなる
雨漏りのリスクが上がる
「隙間が多い」ということは、空気だけでなく、水も入りやすくなります
そのため気密性能が低いと、「雨漏りのリスクが上がる」とも考えられます
うまく換気できず健康を害する
気密性能が低いと、家の隙間から空気が出入りします
そうなると、意図しない空気の出入りが原因で計画通りに換気できず、換気効率が悪くなってしまいます
そして、換気が不十分になってしまうと空気が淀み、以下のような健康被害の原因になってしまいます
- アレルギー性疾患が悪化してしまう
- 二酸化炭素濃度が高くなり、体調不良になってしまう
ハウスメーカーを選ぶ時のチェック項目2選
気密性能を担保するために確認すべき項目は、「C値」と「気密測定」の2つだけです
それぞれの推奨は、以下の通りです
- C値:0.7以下
- 気密測定:全棟測定
基本的に気密性能は、ハウスメーカーの商品ごとにある程度決まっています
特に鉄骨系のハウスメーカーは気密性能が低くなりがちで、「C値0.7以下」を達成することはほぼ不可能です
また、木造のハウスメーカーであっても、気密施工に不慣れなハウスメーカーでは気密性能を担保することは難しいです
気密性能は家の快適性に大きく影響するので、最初に気密性能を確認してハウスメーカーを絞り込むのがおすすめです
C値
C値というのは家の気密性能を表す数値で、実際の家で気密測定を行うことでわかる数値です
C値は低ければ低いほど気密性能が高いことを意味します
一般的にはC値が1.0以下であれば「高気密住宅」と言われますので、基本的にC値の目標値は1.0以下です
しかしながら、家というのは経年劣化するため、その点を考慮して新築時のC値の目標値は0.7以下を目指すのがおすすめです
C値 | 評価 |
---|---|
0.4以下 | |
0.7以下 | |
2.0以下 | |
2.0超・不明 |
気密測定
断熱性能を表すUA値は計算で出てきますが、気密性能を表すC値は現場で測定しないと分かりません
さらに、同じハウスメーカーで同じ家を建てても、その時の職人さんの腕次第でC値は変わってしまいます
つまり、カタログやモデルハウスのC値が良くても、皆さんの家が同じようなC値になる保証はどこにもありません
ですので、必ず「自分の家で」気密測定を実施するようにしてください
気密測定 | 評価 |
---|---|
全棟測定 | |
オプション(希望者のみ) | |
不明・測定しない |
気密測定は「手抜き工事」のリスクを下げる
自分が家を建てる職人だと思って想像してほしいのですが、「気密測定を行う現場」と「そうでない現場」、どちらの方が緊張感がありそうですか?
当然、「気密測定を行う現場」ですよね?
そして、「緊張感」はヒューマンエラーの防止につながり、「手抜き工事」のリスクを下げることができます
また、万が一にもヒューマンエラーが起きてしまった場合でも、気密測定を実施していないと気づくことすらできません
職人さんも人間ですので、どうしてもミスが起きてしまうことはあります
そのミスを見逃さないための確認作業として、気密測定は必ず実施するようにしましょう!
高気密住宅のデメリット
何事にもメリットの裏にはデメリットがあります
高気密住宅も例外ではなく、大きく2つのデメリットがあります
- 換気不足になりやすい
- 玄関ドアが重くなる
ただし、いずれのデメリットも適切な対応策をすれば問題ありません
対応策をちゃんと把握して、家づくりに反映させましょう
換気不足になりやすい
高気密住宅では、ちゃんと空気を強制的に入れ替えないと、家の中の空気がどんどん淀んでいきます
空気が淀むと以下のような問題が生じてしまいます
- アレルギー性疾患が悪化してしまう
- カビが生えて臭い家になってしまう
- 二酸化炭素濃度が高くなり、体調不良になってしまう
これらを防ぐためには、換気システムを適切にメンテナンスしながら、正しく稼働させることが重要です
換気システムの日ごろのメンテナンスで重要なのは、フィルター掃除です
フィルターが目詰まりすると、換気システムが性能を発揮できず、換気不足となってしまいます
換気フィルターは小まめに掃除するようにしましょう!
玄関ドアが重くなる
高気密住宅では家全体が負圧になりがちです
マンションに住んだことのある方ならわかると思うのですが、キッチンの換気扇(レンジフード)を使うと玄関ドアが開きづらくなることがありませんでしたか?
あれは、家の気密性能が高いため、排気量の多い換気扇を使うと家全体が負圧になってしまうことが原因です
※一般的なマンションのC値は1.0程度と言われており、気密性能はそこそこ高いです
この負圧問題には、「同時給排気型レンジフード」か「差圧給気口」をつけることで対策できます
いずれかは採用するようにしましょう!
まとめ
家の気密性能が低いと「不健康住宅」になってしまうため注意が必要です
気密性能を担保するために確認すべき項目は、「C値」と「気密測定」の2つだけです
- C値:0.7以下
- 気密測定:全棟測定
気密性能はハウスメーカーの商品ごとにある程度決まっていて、あとから変更(グレードアップ)するのは、ほぼ不可能です
必ず気密性能を確認した上で、ハウスメーカーを絞り込むようにしましょう!
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