- 新築の家を建てるけど、断熱性能って本当に大切なの?
- 断熱等級って何を選べばいいの?
ハウスメーカーを比較検討中のあなたにとって、断熱性能の選択は大きな決断ですよね。実は、断熱等級の選び方で、あなたの家族の快適さと家計の節約が大きく変わるんです。
なぜなら、断熱性能は単なる寒さ対策だけでなく、夏の暑さ対策や光熱費の削減、さらには家族の健康にまで影響を与えるからです。
- 断熱等級の基礎知識
- 断熱等級ごとの特徴と基準
- 断熱等級を上げるメリット・デメリット
- 断熱等級を考える際のポイントと注意点
- コスパ良く断熱性能を高める方法
この記事を読むと、あなたの家族にとって最適な断熱等級を自信を持って選べるようになります。また、快適で省エネな住まいを実現するためのポイントがわかります。
結論、新築時には断熱等級6がおすすめです。コストと性能のバランスが取れていて、将来的にも安心できる選択肢です。
でも、なぜ断熱等級6なのか?その理由と、あなたの家族に最適な断熱性能を選ぶポイントを詳しく解説します。
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断熱等級の基礎知識
断熱等級の基礎知識について説明します。断熱等級は、住宅の断熱性能を評価する指標として重要な役割を果たしています。ここでは、断熱等級の定義と省エネ等級との違いについて詳しく解説していきます。
断熱等級の定義
断熱等級は、住宅の断熱性能を評価するための指標です。この等級は、国土交通省が定めた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて設定されています。2022年には新たに等級5、6、7が追加されました。
断熱等級は1から7までの7段階で評価され、数字が大きいほど断熱性能が高いことを意味します。断熱等級は「地域区分」と「UA値」で決まります。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
断熱等級7 (HEAT20 G3相当) | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
断熱等級6 (HEAT20 G2相当) | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 |
断熱等級5 (ZEH水準) 2030年義務化予定 | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 |
断熱等級4 2025年義務化予定 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
UA値というのは家の断熱性能を表す数値です。家の構造や窓、断熱材の種類・厚みなどから計算によって算出されます。UA値は、低ければ低いほど断熱性能が高いことを意味します。
断熱等級が高い住宅では、冷暖房の効率が良くなるため、光熱費を抑えることができます。また、室内の温度差が小さくなるので、ヒートショックのリスクも低減できるでしょう。
断熱等級は、快適な暮らしと省エネを両立させる重要な指標です。
省エネ等級との違い
断熱等級と省エネ等級は、どちらも住宅の性能を評価する指標ですが、注目する点が異なります。
断熱等級は住宅の断熱性能のみに着目しているのに対し、省エネ等級は住宅全体のエネルギー消費量を評価する指標です。つまり、省エネ等級は断熱性能だけでなく、設備機器の効率なども含めた総合的な省エネ性能を示しています。
- 断熱性能
- 冷暖房設備の効率
- 給湯設備の効率
- 照明設備の効率
- 太陽光発電システムなどの創エネ設備
例えば、断熱性能は高くても、古い冷暖房設備を使用している住宅があるとします。この場合、断熱等級は高くても、省エネ等級は低くなる可能性があります。
一方で、断熱性能が中程度でも、高効率な設備機器を使用している住宅では、省エネ等級が高くなることもあります。
このように、断熱等級と省エネ等級は必ずしも一致するわけではありません。住宅の断熱性能を確認したい場合には、断熱等級を見るようにしましょう。
省エネ等級は、断熱性能だけでなく設備の性能も加味した指標です。
断熱等級ごとの特徴と基準
断熱等級ごとの特徴と基準について説明します。断熱等級は住宅の断熱性能を評価する指標で、等級が高いほど断熱性能が優れています。ここでは、等級4から等級7までの特徴や基準について詳しく解説していきます。
断熱等級4は時代遅れ
断熱等級4は「省エネ基準」に相当し、2025年からすべての新築住宅で義務化される予定です。断熱等級4の住宅では、冬の室内の最低体感温度が8℃を下回らない程度の性能しかなく、これは現代の快適な住環境を考えると、十分とは言えない水準です。
- 夏は暑くて冬は寒い家になる
- 光熱費が爆上がりしてしまう
- 内部結露で家の寿命が短くなる
2030年にはすべての新築住宅で断熱等級5以上が義務化される予定となっています。これは国としても「断熱等級4では不十分」と考えているためでしょう。
新築を考えているほとんどの人が、これから何十年も住み続けるつもりで家を建てるはずです。断熱等級4はこれから時代遅れの基準となっていきますので、最低でも断熱等級5はクリアするようにしましょう。
2030年には断熱等級5が義務化される予定です。断熱等級4は時代遅れですので注意しましょう。
断熱等級5はこれからの最低基準
断熱等級5は「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準」に相当する断熱性能を持っています。
- ZEH基準相当の断熱性能
- 等級4よりも約1.2倍の断熱材の厚さが必要
- 2030年以降の最低基準
断熱等級5の住宅では、断熱等級4と比べて暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約20%削減できます。断熱等級4と比較すると、冬でも暖かく、光熱費も削減でき、大幅に快適になります。
2030年にはすべての新築住宅で断熱等級5以上が義務化される予定です。つまり、断熱等級5は、これからの断熱性能の最低基準だということです。最低でもこの基準はクリアできるような家を建てるようにしましょう。
断熱等級5は、今後の最低基準です。最低でもこのレベルを目指しましょう。
断熱等級6はコスパが良くておすすめ
断熱等級6は、2022年10月に新設された等級で、コストパフォーマンスが良く、多くの人におすすめできる基準です。断熱等級6の住宅は、断熱等級4と比べて暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約30%削減できます。
- 等級5よりもさらに高い断熱性能
- コストパフォーマンスのバランスが良い
- 将来的な省エネ基準の強化にも対応しやすい
断熱等級6の住宅では、室内の温度ムラがさらに少なくなり、より快適な居住環境を実現できます。また、冷暖房効率が非常に高いため、光熱費の大幅な削減が期待できます。
等級6は、等級5と等級7の中間に位置する等級ですが、コストパフォーマンスの面では最も優れていると言えるでしょう。等級7と比べると初期投資が抑えられる一方で、等級5よりも高い断熱性能を得られるからです。
断熱等級6は、快適性と経済性のバランスが取れた選択肢です。長期的な視点でコスパを考える方におすすめです。
断熱等級7は快適だけどコスパが悪い
断熱等級7は、現時点で最高レベルの断熱性能を持つ等級です。断熱等級7の住宅は、断熱等級4と比べて暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約40%削減できます。しかし、その高い性能と引き換えに、コストパフォーマンスの面では課題があります。
- 最高レベルの断熱性能
- 究極の快適性と省エネ性を実現
- 建築コストが高くなりがち
断熱等級7の住宅では、室内の温度がほぼ一定に保たれ、究極の快適さを体験できます。冬でも床や壁が冷たく感じることはほとんどなく、夏も外気温の影響を受けにくいでしょう。
しかし、この高い性能を実現するためには、非常に厚い断熱材や高性能な窓ガラスなどが必要となり、建築コストが大幅に上昇します。等級6と比較しても、得られる効果に対してコストが見合わない場合が多いです。
断熱等級7は、極寒冷地や特別な要求がある場合を除いて、一般的な住宅では過剰スペックと言えるかもしれません。多くの場合、等級6で十分な快適性と省エネ性を得られるでしょう。
コスパを考えると、多くの方には断熱等級6がおすすめ!特別なこだわりがある場合のみ、等級7を検討してください。
断熱等級を上げるメリット
断熱等級を上げることには、さまざまなメリットがあります。
- 室内環境の快適性向上
- ヒートショックリスクの軽減
- 光熱費の削減
- 補助金やローン優遇の利用
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
室内環境の快適性が向上する
断熱等級の高い家では、以下のような快適性の向上が期待できます。
- 室温の安定化
- エアコンの効率向上
- 結露の抑制
- 外部騒音の軽減
高い断熱性能は、外部の温度変化の影響を受けにくくし、室内の温度を安定させます。これにより、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を作り出すことができるのです。
具体的には、断熱等級が高い住宅では、壁や窓からの熱の出入りが少なくなります。そのため、エアコンの効きが良くなり、設定温度に早く到達し、その温度を長時間保つことができます。
また、高い断熱性能は結露の発生も抑えます。結露は、カビやダニの発生原因となるため、これを防ぐことで室内の空気質も向上します。さらに、外部からの騒音も軽減されるため、より静かで快適な住環境を実現できるでしょう。
断熱等級を上げると、外の暑さ寒さに左右されず、いつでも快適に過ごせる空間が作れます。
ヒートショックのリスクが軽減される
断熱等級を上げることで、ヒートショックのリスクを大幅に軽減できます。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険な現象です。特に、高齢者にとっては深刻な健康リスクとなります。
断熱等級を上げることで得られるヒートショック対策のメリットは以下の通り。
- 部屋間の温度差の縮小
- 床や壁の表面温度の上昇
- 体感温度の向上
- 省エネ効果の増大
断熱性能が低い家では、部屋ごとの温度差が大きくなりがち。例えば、暖かいリビングから寒いトイレや浴室に移動する際に、体が急激な温度変化にさらされることでヒートショックが起こる危険性があります。
一方、断熱等級の高い家では、部屋間の温度差が小さくなるため、ヒートショックのリスクを軽減できます。
高断熱住宅では外気温の影響を受けにくくなるため、床や壁の表面温度も室温に近くなります。これにより、体感温度が上がり、暖房の設定温度を下げても快適に過ごせるため、省エネにもつながります。
断熱等級を上げるのは、家族の健康を守るための投資です。
光熱費を削減できる
高い断熱性能は、冷暖房の効率を向上させ、エネルギー消費量を減らすことで、光熱費を削減します。これは、長期的に見ると大きな経済的メリットとなります。
断熱等級を上げることによる光熱費削減のメリットは以下の通り。
- 冷暖房の効率向上、使用時間短縮
- 年間を通じた省エネ効果
断熱等級4から6に上げると、約30%の省エネ効果が得られるとされています。例えば、断熱等級4の家で年間の光熱費が24万円だった場合、断熱等級6にすると年間約7.2万円の節約になるのです。これは、10年間で72万円もの節約になる計算です。
また、高断熱住宅では室内の温度が安定するため、エアコンの稼働時間が減り、さらなる省エネにつながります。夏場は外からの熱の侵入を防ぎ、冬場は暖かい空気を逃がさないので、一年を通して効果を実感できるでしょう。
光熱費の削減は、長い目で見ると大きな節約につながります。
補助金やローン優遇を利用できる
断熱等級を上げることで、さまざまな補助金やローン優遇を利用できるようになります。政府や自治体は、省エネ住宅の普及を促進するために、高断熱住宅に対して様々な支援制度を設けています。
- ZEH関連の補助金
- 住宅ローン控除
- 長期優良住宅認定による税制優遇
- 自治体独自の補助金制度
例えば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業では、2023年度の場合、1戸あたり最大55万円の補助金が受けられます。さらに、「ZEH+」では最大100万円、「次世代ZEH+」では最大100万円の補助金が用意されています。
また、断熱等級4以上の住宅は、住宅ローン控除の対象となります。さらに、断熱等級が高いほど、長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けやすく、控除額が大きくなる仕組みになっています。
補助金やローン優遇は年度ごとに内容が変更されるので、最新情報をチェックしましょう!
断熱等級を上げるデメリット
断熱等級を上げることには多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。ここでは「建築費用の増加」と「高い施工技術の必要性」という2つの重要なポイントについて、詳しく解説します。
建築費用が増加する
断熱等級を上げると、建築費用が増加することは避けられません。断熱性能を高めるためには、より高品質な断熱材や高性能な窓、ドアなどの部材を使用する必要があり、これらの材料費が全体の建築コストを押し上げます。
例えば、断熱等級5から等級6に上げる場合、建築費用は約100万円増加すると言われています。さらに、最高レベルの断熱等級7を目指すと、200万円以上も増額する可能性があります。
具体的な費用増加の要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 高性能な断熱材の使用
- 断熱材の厚みの増加
- 高性能サッシや複層ガラスの採用
- 気密性を高めるための施工
ただし、この費用増加は長期的に見ると、光熱費の削減や快適性の向上によって相殺できる可能性があります。また、断熱等級が高い住宅は資産価値も高くなる傾向にあるため、将来的なメリットも考慮に入れる必要があるでしょう。
建築費用の増加は一時的なものですが、その後の住まいの快適さや省エネ効果は長期にわたって続きます。そのため、ライフサイクルコストの観点から考えることが大切です。
初期投資と将来のメリットのバランスを考えてみましょう。
高い施工技術が求められる
断熱性能を高めるには、単に高性能な材料を使用するだけでなく、それらを適切に施工する技術が求められます。高い施工技術が必要とされる理由は、以下のようなポイントがあります。
- 断熱材の隙間のない施工
- 熱橋(ヒートブリッジ)の防止
- 気密性の確保
- 結露の防止
断熱性能は住まいの快適性や省エネ性能に直結します。適切な施工がなされていない場合、期待した断熱効果が得られず、光熱費の削減や快適性の向上といったメリットが得られなくなります。
したがって、断熱等級を上げる際には、信頼できる技術力を持つハウスメーカーを選ぶことが非常に重要です。施工実績や技術力、アフターフォローの体制などを十分に確認した上で、業者を選定することをおすすめします。
施工技術に不安がある場合には、ホームインスペクター(住宅診断)の依頼がおすすめ!
断熱等級を考える際のポイントと注意点
新築住宅を建てる際、断熱性能は、快適な暮らしと省エネルギーを実現するための重要な要素です。ここでは、おすすめの断熱等級や注意点、信頼できる住宅会社の選び方について詳しく解説していきます。
新築時には断熱等級6がおすすめ
新築住宅を建てる際には、断熱等級6を目指すことをおすすめします。断熱等級6は、初期投資と快適性・省エネ性のバランスが取れた、コストパフォーマンスの高い選択肢です。
- 冬の室温が、1・2地域で15℃、その他の地域で13℃を下回らない
- 冬場の寒さだけでなく、夏場の暑さも軽減される
- 冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を約30%削減
- エアコンの使用頻度が減り、光熱費の大幅な削減が期待できる
- 結露の発生を抑え、建物の耐久性を向上させる
断熱等級6の住宅では、室内の温度むらが少なくなるため、より快適な住環境を実現できます。例えば、冬場でも窓際で寒さを感じにくくなり、家中どこにいても快適に過ごせるようになります。
また、健康面でも大きな効果が期待できます。温度変化によるストレスが軽減され、睡眠の質も向上します。特に高齢者にとっては、ヒートショックのリスクがさらに低くなり、安全で快適な生活を送ることができるでしょう。
断熱等級6は将来的な省エネ基準の強化にも対応しやすい性能を持っています。今後、さらに厳しい基準が設けられる可能性がありますが、断熱等級6の住宅であれば、大規模な改修をせずに対応できる可能性が高いでしょう。
断熱等級6は、快適性と省エネ性、そして将来性までバランスよく兼ね備えた選択肢です。
断熱等級を考える際の注意点
断熱等級を検討する際には、いくつかの注意点があります。断熱性能だけでなく、住宅全体のバランスを考慮することが重要です。以下の点に注意しながら、自分に合った断熱等級を選びましょう。
- 気密性、換気システム
-
高い断熱性能と気密性を兼ね備えた住宅は、外部からの熱の出入りを最小限に抑えることができます。ただし、気密性が高すぎると室内の空気が滞留しやすくなるため、適切な換気システムの導入が不可欠です。
- コストとのバランス
-
断熱等級を上げるとコストもかかります。例えば、断熱等級6から7に上げる場合、追加のコストに見合うだけの効果が得られるか、慎重に検討しましょう。自分の予算と優先順位を考慮して、最適な断熱等級を選ぶことが大切です。
- 地域性の考慮
-
寒冷地と温暖地では、必要とされる断熱性能が異なります。自分が住む地域の気候特性に合わせて、適切な断熱等級を選択することが重要です。
断熱性能を高めるだけでなく、日射遮蔽や通風計画など、パッシブデザインの要素も取り入れることで、より快適で省エネな住まいを実現できます。
断熱等級を考える際は、住宅全体のバランスを考えることが大切です。
信頼できる住宅会社の選び方
信頼できる住宅会社とは、あなたの要望を丁寧に聞き、適切な提案をしてくれる会社です。以下のポイントを参考に、自分に合った住宅会社を選びましょう。
- 断熱性能に関する知識と実績
-
会社のホームページや資料で、断熱等級やZEHへの取り組みについて確認できます。また、過去の施工事例や顧客の声なども参考になるでしょう。
- アフターサービスの充実度
-
長期保証や定期点検の有無、メンテナンスサポートの内容などを確認しましょう。信頼できる会社は、建てた後のサポート体制もしっかりしています。
- 施工品質の確保
-
指定工事店制度を設けているか、大工や職人の技術力をどのように担保しているかなどを確認しましょう。可能であれば、実際の建築現場を見学させてもらうのも良いでしょう。
- 営業担当者の対応
-
あなたの要望をしっかりと聞き、適切な提案をしてくれるか、質問に対して的確に答えてくれるかなどをチェックしましょう。信頼できる営業担当者がいると、家づくりの過程がスムーズになります。
信頼できる住宅会社選びは、良い家づくりの第一歩です。
コスパ良く断熱性能を高める方法
コスパ良く断熱性能を高める方法について説明します。断熱性能を向上させることで、快適な室内環境を実現しつつ、光熱費の削減にもつながります。
窓や玄関ドアの断熱性能を高める
窓や玄関ドアは、住宅の中で最も熱の出入りが多い部分です。窓や玄関ドアの断熱性能を高めることで、家全体の断熱性能を大きく向上させることができます。特に、窓は壁に比べて断熱性能が低いため、重点的に対策を行うことが効果的です。
- ペアガラスやトリプルガラスの採用
- 中空層にはアルゴンガス
- 樹脂サッシの使用
- 樹脂スペーサーの採用
- 断熱シートやカーテンの活用
玄関ドアの断熱性能を高めるには、断熱材入りのドアを選択したり、ドア周りの隙間を埋めるシールを使用したりする方法があります。玄関ドアは特に熱の出入りが多いため、断熱性能の高いドアを選ぶことで、大きな効果が期待できます。
また、既存の窓や玄関ドアを全て交換するのが難しい場合は、内窓の設置や断熱シートの貼り付けなど、比較的低コストで実施できる対策から始めるのも良いでしょう。これらの方法でも、ある程度の断熱効果を得ることができます。
断熱性能を高める際には、窓と玄関ドアから取り組みましょう。
断熱材と施工方法を工夫する
断熱材の選択と施工方法の工夫は、住宅の断熱性能を大きく左右します。適切な断熱材の選択と正しい施工方法を採用することで、コストを抑えつつ高い断熱効果を得ることができます。断熱材と施工方法を工夫する際のポイントは以下の通りです。
- 断熱材の種類と性能の比較
-
断熱材の種類には、グラスウール、ロックウール、発泡プラスチック系などがあります。それぞれ特徴が異なるため、コストと性能のバランスを考慮して選択することが大切です。
例えば、グラスウールは比較的安価で施工しやすい一方、発泡プラスチック系は高性能ですが、コストが高くなる傾向があります。
- 断熱材の厚さの最適化
-
断熱材の厚さを増すほど断熱性能は向上しますが、コストも上がります。そのため、目標とする断熱等級や地域の気候条件に応じて、最適な厚さを選択することが大切です。
- 施工方法の選択(充填工法や外張り工法など)
-
施工方法も断熱性能に大きく影響します。充填工法は比較的安価ですが、施工時の圧縮や隙間による性能低下に注意が必要です。一方、外張り工法は熱橋を減らせる利点がありますが、コストが高くなる傾向があります。
- 断熱欠損の防止
-
断熱欠損の防止も重要です。柱や梁などの構造材周りや、配管・配線の貫通部分などに隙間ができないよう、丁寧な施工が求められます。これらの部分を適切に処理することで、断熱性能を最大限に発揮させることができます。
ハウスメーカーを選ぶ際には標準の断熱仕様を確認するようにしましょう。
気密性能も高くする
断熱性能を向上させるには、気密性能も同時に高める必要があります。気密性能が低いと、せっかくの断熱効果が失われてしまうため、断熱と気密を両立させることが重要です。気密性能を高めるポイントは以下の通りです。
- 気密シートの適切な施工
-
気密シートの施工は、気密性能を高める上で最も基本的な対策です。壁や天井の内側に気密シートを貼ることで、空気の流入を防ぎます。特に、シートの継ぎ目や端部の処理を丁寧に行うことが重要です。
- 開口部周りの気密処理
-
開口部周りの気密処理も欠かせません。窓やドアの枠と壁の間の隙間を適切にふさぐことで、気密性能が大きく向上します。専用の気密テープや発泡ウレタンなどを使用して、隙間を確実にシールしましょう。
- 配管・配線貫通部の処理
-
配管や配線が壁を貫通する部分も、気密性能の弱点になりやすい箇所です。これらの貫通部分を専用のシール材や気密パッキンなどを使用して、確実に処理することが大切です。
- 気密測定の実施
-
気密測定を実施することで、実際の気密性能を確認することができます。気密測定の結果を基に、必要に応じて追加の気密対策を行うことで、より高い気密性能を実現できます。
気密性能を高めることで、冷暖房効率が向上し、結露の防止にもつながります。ただし、気密性を高めると換気が不十分になるため、適切な換気計画も同時に検討する必要があります。
気密測定は断熱施工後(断熱材が見えている状態)に行いましょう!
まとめ
新築住宅を建てる際は、断熱等級6を目指すことがおすすめです。断熱等級6は、快適性と省エネ性のバランスが取れた、コスパの良い選択肢です。
- 室内環境の快適性向上
- ヒートショックリスクの軽減
- 光熱費の削減
ただし、断熱性能を高めるには、窓やドアの断熱性能強化、適切な断熱材の選択と施工方法の工夫、気密性能の向上など、総合的なアプローチが必要です。信頼できる住宅会社を選び、専門家のアドバイスを受けながら進めることが大切です。
快適で省エネな住まいを実現するために、断熱等級にこだわってみてはいかがでしょうか。あなたの家族の健康と幸せな暮らしのために、ぜひ断熱性能にも注目してください。
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