積水ハウスの全館空調の評判・価格は？電気代・カビ対策まで徹底解説

一生に一度の家づくり、ホテルのような快適さを実現できる「全館空調」に憧れる方は本当に多いですよね。玄関を開けた瞬間から涼しく、冬は脱衣所までポカポカ。そんな生活はまさに理想的です。

しかし、導入コストや日々の電気代、10年後のメンテナンスの手間など、現実的な問題に直面して「本当に必要なのか？」と悩んでしまうことも少なくありません。

実際、何も知らずに営業さんの勧めるまま導入を決めてしまい、「冬場に乾燥しすぎて喉が痛い」「故障した時に家全体がサウナ状態になって大変だった」といった後悔の声を聞くこともあります。

実は、積水ハウスの空調・換気システムは業界トップクラスに高性能ですが、その種類や特徴を正しく理解して選ばないと、オーバースペックになったり、逆に期待した快適さが得られなかったりする可能性が高いのです。

僕自身も家づくりの際に全館空調を含めて徹底的に比較検討しましたが、積水ハウスのシステムは他社と比べても独自のこだわりが詰まっていて、知れば知るほど奥が深いと感じました。

この記事を読むと、積水ハウスの全館空調が自分のライフスタイルや予算に合っているかどうか、自信を持って判断できるようになります。

後悔のない家づくりのために、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

積水ハウスの全館空調システムの仕組みと主な種類

積水ハウスの快適な空気環境を支えるシステムには、いくつかの種類があり、それぞれ役割が異なります。ここでは、全館空調の代名詞とも言える「エアシーズン」を中心に、採用されているメーカーや換気システムとの違いについて、専門用語を噛み砕いて詳しく解説していきますね。まずはそれぞれの特徴を整理して、全体像を掴んでいきましょう。

積水ハウスのエアシーズンの快適性と機能の詳細

機能	エアシーズンの特徴・メリット
冷暖房	家全体を均一な温度に保ち、ヒートショックのリスクを低減 天井裏に本体を設置するため、室内にエアコンが見えずスッキリ
換気	熱交換型換気システムにより、熱ロスを抑えて空気を入れ替え 汚れた空気を排出する際、熱だけを回収して再利用する省エネ設計
除湿・加湿	調湿機能が搭載されており、一年中快適な湿度をキープ 特に加湿機能は、冬場の過乾燥を防ぐ重要な役割を果たす
空気清浄	高性能フィルターで花粉やホコリ、PM2.5を除去し、クリーンな環境を実現 窓を開けなくても新鮮な空気を吸える

積水ハウスの全館空調システム「エアシーズン」は、単に温度を調節するだけでなく、換気・除湿・加湿・空気清浄までを一台でこなすトータル空調システムです。

一般的な壁掛けエアコンとは異なり、天井裏などに設置された本体からダクトを通して各部屋に空気を送るため、室内機が露出せず、インテリアが非常にすっきりするのが大きな魅力ですね。吹き出し口も天井のデザインに溶け込むように設計されており、生活感を完全に消すことができます。

特に注目したいのは、多くのメーカーでオプション扱いとなる「加湿機能」がしっかりと組み込まれている点です。冬場の全館空調はどうしても空気が循環することで乾燥しやすいというデメリットがありますが、エアシーズンなら給水の手間なく自動で加湿運転を行ってくれるため、肌や喉の乾燥を防ぐことができます。

また、家中の温度差が少なくなることで、冬の脱衣所やトイレでのヒートショックのリスクを劇的に減らせるのも、健康面での大きなメリットと言えるでしょう。一年を通して「暑い」「寒い」を感じさせない、ホテルのような上質な住空間を実現できるのがエアシーズンの最大の特徴です。

全館空調の採用メーカーと信頼性の高い技術力

積水ハウスの全館空調システムは、自社ですべてを製造しているわけではなく、信頼性の高い大手空調機器メーカーの製品を採用しています。

具体的には、パナソニックや東芝キヤリア、ダイキンといった、空調業界のトップランナーたちの技術が使われていることが多いですね。これらのメーカーは、ビルや商業施設などの業務用空調でも豊富な実績を持っており、24時間365日稼働し続けることを前提とした耐久性や省エネ性能において非常に高い信頼性があります。

積水ハウスの場合、単に既製品を導入するだけでなく、住宅の構造や断熱性能に合わせて最適な設計が行われます。例えば、天井裏のスペースを有効活用するためのコンパクトな設計や、ダクトの配置による効率的な気流コントロールなど、ハウスメーカーならではのノウハウが詰め込まれています。

メーカーによって「気化式加湿に強い」「省エネ性能に優れる」「静音性が高い」などの特徴があるため、打ち合わせの際にはどのメーカーのシステムが提案されているか、それぞれの特徴を確認してみると良いでしょう。

万が一の故障時にも、大手メーカーのサポート体制と積水ハウスのアフターサービス（オーナーデスク）が連携しているため、安心して使い続けられます。

換気システムの標準仕様と上位モデルの違いとは

種類	換気方式	熱交換	特徴・メリット・デメリット
標準仕様 （ハイブリッド換気など）	第3種換気 （自然給気・機械排気）	なし	コストが安い メンテナンスが楽だが、外気がそのまま入るため冬は給気口付近が寒く感じる場合も
上位モデル （アメニティー換気など）	第1種換気 （機械給気・機械排気）	あり	熱ロスが少ない 外気を室温に近づけて取り込むため非常に快適だが、導入コストが高い

積水ハウスでは、全館空調を採用しない場合でも、高性能な換気システムが導入されています。標準仕様として多く採用されているのは「第3種換気システム」で、これは排気を機械で行い、給気は自然に行うタイプです。

シンプルで壊れにくくメンテナンスが楽というメリットがありますが、冬場などは冷たい外気がそのまま入ってくるため、給気口の近くが寒く感じる（コールドドラフト現象）ことがあります。

一方、上位モデルや全館空調（エアシーズン）と組み合わせて採用されるのが「熱交換型」の第1種換気システムです。これは給気も排気も機械で行い、さらに「熱交換素子」を通して、排気する空気の熱を給気する空気に移します。

これにより、冬でも室温に近い温度の新鮮な空気を取り込めるため、冷暖房効率が格段にアップし、電気代の削減にも貢献します。全館空調の効果を最大限に発揮するためには、この熱交換型の換気システムが非常に重要になりますね。

換気システムの種類については、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。

エアキスで実現する化学物質を抑制した空気環境

「エアキス」は空調機器の名前ではなく、積水ハウスが提供する「空気環境配慮仕様」の総称です。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を極限まで減らすために、内装建材や接着剤を厳選し、適切な換気システムを組み合わせることで実現しています。

特に小さなお子様がいるご家庭や、化学物質に敏感な方にとっては、目に見えない空気の質が保証されていることは大きな安心感につながりますよね。

全館空調（エアシーズン）や高機能換気システム（スマートイクス）も、このエアキスの基準を満たすための重要な要素として機能します。換気によって汚染物質を速やかに排出し、空気清浄機能で花粉やPM2.5を取り除くことで、家の中は常に深呼吸したくなるようなクリーンな空気に保たれます。

「積水ハウスの家は空気がきれい」と言われるのは、このエアキスという高い基準があるからこそなんです。スマートイクスの詳細な仕組みについては、積水ハウスの公式サイトも非常に分かりやすいので、気になる方はチェックしてみてください。（出典：積水ハウス『次世代室内環境システム SMART-ECS』）

積水ハウスの全館空調にかかる費用とリアルな評判

機能が素晴らしいことは分かりましたが、やはり一番気になるのは「お金」と「実際の使い心地」ですよね。ここからは、導入にかかる具体的な費用感や電気代、そして実際に住んでいるオーナーさんのリアルな口コミについて深掘りしていきます。メリットだけでなくデメリットも含めて、包み隠さずしっかりとチェックしていきましょう。

全館空調の導入価格と初期費用の目安を徹底解説

積水ハウスで全館空調（エアシーズン）を導入する場合、初期費用としてはおよそ200万円から300万円程度を見ておく必要があります。

一般的な壁掛けエアコンを各部屋に設置する場合（合計50〜80万円程度）と比べると、やはり高額なオプションであることは間違いありません。特に延床面積が広い家や、部屋ごとに細かく温度設定ができるゾーン制御機能、高性能な加湿・除湿機能付きモデルを選ぶと、費用はさらに上がる傾向にあります。

ただし、全館空調を導入すると各部屋のエアコンが不要になるだけでなく、LDKに床暖房を入れなくても十分に暖かいため、床暖房の費用（数十万円〜100万円程度）をカットできるケースもあります。

また、室外機が1〜2台で済むため外構費用が抑えられたり、室内機用のコンセントや補強工事が不要になったりと、トータルコストで見ると単純な「プラス200万円」ではないことも。

積水ハウスの坪単価や総額については以下の記事で詳しく解説していますが、全館空調を入れる場合は予算配分を慎重に考える必要がありますね。

気になる毎月の電気代とランニングコストの実態

季節	電気代の目安 （全館空調のみ）	備考
春・秋	約5,000円 〜 10,000円	送風や換気がメインのため安い
夏	約10,000円 〜 20,000円	24時間冷房稼働 高断熱なら一度冷えれば維持費は意外と安い
冬	約15,000円 〜 30,000円	外気温との差が大きく暖房負荷が高いため一番高くなる

「全館空調は電気代が高い」というイメージをお持ちの方も多いですが、最近の住宅は高気密・高断熱化が進んでいるため、昔ほど驚くような金額にはなりません。積水ハウスの「ぐるりん断熱」などの高断熱仕様と組み合わせることで、一度適温になった室温を魔法瓶のようにキープできるため、効率よく運転できるからです。

一般的な延床面積（35〜40坪程度）の家であれば、真冬のピーク時でも月1.5万円〜3万円程度のプラスで収まることが多いようです。特に積水ハウスの窓サッシは断熱性が高く、熱の出入りを抑えてくれるため、電気代削減に大きく貢献します。

ただし、これは24時間つけっぱなしにした場合のコストです。個別エアコンのように「いない部屋は消す」という使い方ができないため、どうしてもベースの電気代はかかります。

一方で、太陽光発電システムを搭載していれば、日中の電力消費を賄えるため、実質的な電気代を大幅に抑えることも可能です。さらに、定期的なフィルター交換（年間数千円〜1万円程度）や、将来的な機器のメンテナンス・交換費用もランニングコストとして考慮しておく必要があります。

積水ハウスの全館空調の評判とオーナーの満足度

実際に積水ハウスで全館空調を導入したオーナーさんの評判を見てみると、「住み心地は最高で、もう個別エアコンの生活には戻れない」という満足の声が圧倒的に多いです。

特に、小さなお子様がいる家庭や、ヒートショックを気にする二世帯住宅などで高く評価されています。家中どこに行っても温度差がないストレスフリーな環境は、一度体験するとやめられない魅力があるようですね。

一方で、不満点としてよく挙がるのが「乾燥」と「温度調整の融通の利かなさ」です。加湿機能付きのエアシーズンでも、冬場の乾燥を完全に防ぐのは難しく、補助的に加湿器を使っているという声も。

また、「お父さんは暑がり、お母さんは寒がり」といった場合、部屋ごとに細かく温度を変えるのが苦手な全館空調では、どちらかが我慢するか、サーキュレーターや服で調整する必要があります。このあたりは、家族のライフスタイルや体感温度の違いを事前によく話し合っておくことが大切です。

次世代システムであるスマートイクスの評判と特徴

「スマートイクス」は、積水ハウスが提案する次世代室内環境システムのことで、厳密には全館空調（冷暖房機器）ではありません。「家の中の空気をコントロールする」ことに特化した換気と空気清浄のパッケージシステムです。

特に評判が良いのが、天井付空気清浄機「エアミー」の効果。生活空間の邪魔にならず、空気中の微細な汚れや花粉を素早くキャッチしてくれるため、花粉症持ちのオーナーさんからは「家の中ではマスクなしで快適に過ごせる」と絶賛されています。

また、玄関から入ってきた汚れた空気をリビングに入れない「ゾーニング」の考え方も取り入れられており、ウイルス対策などの面でも安心感があります。

全館空調を導入しなくても、このスマートイクスだけを採用することも可能です。「冷暖房は個別エアコンでいいけど、空気の質にはこだわりたい」という方にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。

全館空調はいらないと言われる理由と導入の判断

ネット検索で「積水ハウス 全館空調」と打つと、「いらない」「やめたほうがいい」という言葉が出てきて不安になりますよね。その最大の理由はやはりコスト対効果とリスク管理の面です。

「200万円かけるなら、もっとキッチンやお風呂をグレードアップしたい」「故障して真夏にエアコンなしになるのが怖い」と考えるのは当然のこと。また、積水ハウスの住宅自体が非常に高性能なため、全館空調なしでも十分に快適に過ごせるという事実も、「いらない」説を後押ししています。

導入すべきかどうかの判断基準は、「コストをかけてでも温度差のないバリアフリーな環境を最優先するか」に尽きます。予算に余裕があり、健康管理や絶対的な快適さを求めるなら導入の価値は十分にあります。

逆に、コストを抑えたい、個別に温度管理をしたい、リスクを分散したいという方は、高性能な個別エアコンを選択する方が満足度が高いかもしれません。「流行っているから」ではなく、自分たちの生活における優先順位で決めることが大切です。

全館空調のカビ発生リスクと効果的な対策方法は

全館空調で最も恐ろしいトラブルの一つが「カビ」です。特に梅雨から夏にかけて、冷房運転で冷やされたダクト内で結露が発生し、そこにホコリが溜まるとカビの温床になってしまうことがあります。

一度カビが発生すると、家中にカビの胞子を撒き散らすことになり、健康被害だけでなく、除去のためのクリーニング費用も高額になってしまいます。

しかし、適切な使い方とメンテナンスを行えば、カビのリスクは大幅に減らすことができます。一番大切なのは、フィルター掃除をサボらないこと。フィルターが詰まると空気の流れが悪くなり、結露しやすくなります。

また、冷房を使わなくなる秋口には、すぐに暖房や停止にするのではなく、しばらく「送風」運転をしてダクト内部の湿気を完全に飛ばすのがプロおすすめのテクニックです。

積水ハウスのシステムは防カビ仕様のダクトなど対策もされていますが、ユーザー自身の日頃のケアが快適さを維持するカギとなります。

まとめ｜積水ハウスの全館空調で理想の暮らしへ

積水ハウスの全館空調について、仕組みから費用、メリット・デメリットまで詳しく解説してきました。全館空調は、家中の温度差をなくし、ホテルのような快適な空間を実現できる素晴らしいシステムです。

特に積水ハウスの「エアシーズン」や「スマートイクス」は、換気や空気清浄機能とも連携し、家族の健康を守るための「空気の質」にもこだわって作られています。

しかし、導入コストやランニングコスト、乾燥やカビといったリスクがあることも事実です。「いらない」という意見があるのも、それらのデメリットとコストを天秤にかけた結果の判断だと言えます。大切なのは、全館空調の特性を正しく理解し、自分たちのライフスタイルや予算に合っているかを冷静に見極めることです。

もし、予算やリスク管理の面で迷いがあるなら、全館空調を入れずに「高気密・高断熱住宅＋高性能エアコン」という選択肢も十分にアリです。この記事を参考に、あなたとご家族にとって「一番快適な空気環境」はどのような形なのか、ぜひじっくり話し合ってみてくださいね。素敵な家づくりになることを応援しています！