- 今まで気にしてなかったけど「窓」ってそんなに重要なの?
- 「窓」の何を確認すればいいのかわからない…
- 「窓」の仕様のオススメを教えてほしい
実は、家づくりにおいて「窓」選びはとても重要です。なぜなら、窓選びで失敗すると、断熱性能がどれだけ高くても「夏は暑くて冬は寒い家」になってしまうからです。
また、窓の仕様はハウスメーカーごとにある程度決まっているため、窓の仕様を確認せずにハウスメーカーを選ぶと失敗します。
私は、大して勉強もせずに家づくりを始めてしまい、セキスイハイムと契約して家づくりをしている途中で気密/断熱性能の重要性に気づき、契約解除をしてアイ工務店に乗り換えるという大失態を犯しました。
この記事では、「家づくりにおける窓の重要性」から「窓選びでチェックすべき項目」「選ぶべき仕様」まで、「窓」に関することについて徹底解説します。
この記事を読めば、高気密/高断熱な家づくりに必要な「窓」の知識を手に入れることができ、ハウスメーカー選びでの失敗を防ぐことができます。
「窓」についての正しい知識を身に着け、「夏は涼しくて冬は暖かい」快適なマイホームを手に入れましょう!
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窓が重要な3つの理由
まずは、家づくりにおける「窓」の重要性を理解するために、窓選びに失敗した際に生じる問題を把握しておきましょう。窓選びを失敗すると、大きく分けて3つの問題が生じます。
夏は暑くて冬は寒い家になる
窓選びに失敗すると「夏は暑くて冬は寒い家」になってしまいます。なぜなら、窓は家の開口部となるため、断熱材を敷き詰める外壁と比べて、熱が出入りしやすいからです。
※アルミサッシとペアガラスを採用した場合
窓メーカー大手であるYKK APの公表データによると…
- 夏に家の外から入ってくる熱のうち窓から入ってくる割合は74%
- 冬に室内から逃げていく熱のうち窓から出ていく割合は50%
このように、熱のほとんどは窓から出入りするため、窓の性能は家の断熱性能に大きく影響します。窓選びに失敗すると「夏は暑くて冬は寒い家」になってしまうので、窓の性能をしっかり担保した上で家づくりを進めましょう。
光熱費が爆上がりしてしまう
ここ最近、電気代やガス代は値上がりが続いています。その上、窓選びに失敗して「夏は暑くて冬は寒い家」を建ててしまうと、光熱費は爆上がりします。なぜなら、夏は冷房、冬は暖房をガンガンに使う必要があるからです。
毎月の住宅ローンの支払いに加え、めちゃくちゃ高い光熱費を払うとなると、遊びや外食など自由に使えるお金が減ってしまい、大きなストレスとなってしまいます。
注文住宅は、あなたの人生をより良くするための手段の一つに過ぎません
住宅ローンや光熱費の支払いで生活が苦しくならないように、最低限の質は担保しつつコスパの良い家づくりをしましょう。
内部結露で家の寿命が短くなる
窓選びに失敗すると、冬に窓際が寒くなるのでめちゃくちゃ結露します。窓が結露するということは、窓の近くの「壁の中」でも結露が起きています。この壁の中の結露を「内部結露」といいます。
窓の結露は拭けば良いだけですが、壁の中の結露は拭くこともできませんし、なかなか乾かないため、家を支えている木材がどんどん腐ってしまいます。
そして、木が腐った臭いに引き寄せられてシロアリが集まってきて、シロアリの被害に会い、最終的に家の寿命が短くなってしまいます。
家の寿命を長くするためにも、結露しない家を目指しましょう。
ハウスメーカー選びで失敗しないチェック項目4選
窓の性能を担保するために確認すべき項目は、「サッシ」「スペーサー」「ガラス」「中空層」の4つ。それぞれの推奨は、以下の通りです。
- サッシ:オール樹脂サッシ
- スペーサー:樹脂
- ガラス:Low-Eペア(大きな引き違い窓はLow-Eトリプル推奨)
- 中空層:アルゴンガス
基本的に窓の仕様は、ハウスメーカーごとにある程度決まっています。
そのため、「アルミ樹脂複合サッシ」を標準仕様としているハウスメーカーで「オール樹脂サッシ」を採用しようとすると、多額の追加費用が発生するか、場合によっては断られることもあります。
窓は家の性能に大きく影響するので、最初に窓の標準仕様を確認してハウスメーカーを絞り込むのがおすすめです。
サッシ
窓の中でもサッシは最も冷えやすく結露しやすい場所なため、最も重要な部分になります。サッシ選びを失敗すると、どんなに性能の良いガラスにしても結露してしまいます。
さらに、サッシは壁と接しているため、サッシが結露してしまうと「内部結露」も起こりやすくなります。
種類 | 評価 | 外側 | 内側 |
---|---|---|---|
オール樹脂 サッシ | 樹脂 | 樹脂 | |
アルミ樹脂複合 サッシ | アルミ | 樹脂 | |
アルミ サッシ | アルミ | アルミ |
日本の注文住宅、特に大手ハウスメーカーでは「アルミ樹脂複合サッシ」が多く普及していますが、これだとサッシが結露するリスクが非常に高いです。
サッシは必ず「オール樹脂サッシ」にしましょう
スペーサー
サッシの次に重要なのが、スペーサーです。スペーサーとは、ガラスとガラスの間に空間を作るための部品です。ガラスの外周部の結露に大きく影響します。
種類 | 評価 |
---|---|
樹脂 | |
アルミ |
サッシと同様に、スペーサーも必ず「樹脂」を選ぶようにしましょう
ガラス
窓ガラスは、「ガラスの枚数」と「Low-E膜の有無」で大きく4種類に分けられます。
種類 | 評価 | 枚数 | Low-E |
---|---|---|---|
Low-Eトリプル ガラス | 3枚 | あり | |
Low-Eペア ガラス | 2枚 | あり | |
ペアガラス | 2枚 | なし | |
シングルガラス | 1枚 | なし |
最近では、ほとんどのハウスメーカーがLow-EペアガラスかLow-Eトリプルガラスを採用しています。
少なくとも、ペアガラスやシングルガラスが標準仕様となっているようなハウスメーカーは選ばないようにして、最低でも「Low-eペアガラス」にしましょう。
5〜7地域(関東~九州)であれば、基本的にはLow-Eペアガラスで十分ですが、リビングなどに設置する大きな掃き出し窓はLow-Eトリプルにするのがおすすめです。
また、1〜4地域(関東より北)のいわゆる寒冷地の場合には、家全体をLow-Eトリプルにすることを検討しましょう。
中空層
中空層とは、ガラスとガラスの間にある空間のことです。この中空層に「どんな気体が入っているか?」によって断熱性能が変わります。
種類 | 評価 |
---|---|
クリプトンガス | |
アルゴンガス | |
空気(ドライエアー) |
ここはコスパを考えて「アルゴンガス」がおすすめです。
日射遮蔽/日射取得
日射取得は「太陽の光を取り入れること(冬の寒さ対策)」、対する日射遮蔽は「太陽の光を入れないこと(夏の暑さ対策)」を指します。この2つは相反するものなので、どちらを優先するか選ぶ必要があります。
基本的には夏対策である「日射遮蔽」を優先するのがおすすめです。
なぜなら、冬の日射取得には限界がありますし、夏の日射対策が不十分だと窓際がとても暑くなってしまうためです。
窓ガラスの種類
少しマニアックですが、Low-Eペアガラスには「日射遮蔽型」と「日射取得型」の2種類が存在し、設置する窓ごとにいずれかを選ぶ必要があります。
出典:YKK AP
よく「南側には日射取得型、東西北には日射遮蔽型をつけましょう」と言われます。
これは、夏の太陽は高度が高いため軒やひさしをつけることで直射日光を防ぎ、冬の太陽は高度が低いため存分にぬくもりをもらって暖かさを室内にキープするという考えからです。
確かに直射日光は軒や庇で防げますが、実は夏の日射の半分は、乱反射した光や地面からの照り返しによるものです。そのため、夏の日射対策を優先して、方角に関わらず「日射遮蔽型」を選ぶのがおすすめです。
窓の設置箇所
東側、西側の窓からは、朝日や夕日がガンガン入ってきて暑く眩しくなってしまうため、窓の設置場所は南か北を中心に考えましょう。
- 東側:設置しない方がいい
- 西側:設置しない方がいい
- 南側:多めに設置すべき
- 北側:真北であればOK
しかしながら、東道路・西道路の場合には、採光のために東側・西側に大きな窓が必要となる場合があります。このような場合、東や西は低い位置から日射が入るため、軒や庇では日射遮蔽できないので注意が必要です。
東や西の日射対策には、アウターシェードなどが有効ですので、東西に窓を設置する際には導入を検討しましょう。
お風呂・トイレ・玄関には窓を設置しないようにしましょう
お風呂は湿度が高くなるので結露しますし、トイレや玄関は狭いので夏は暑く冬は寒くなりやすくなってしまいます。玄関で採光を取りたい場合には、D2/K2グレードのガラス入りの玄関ドアにすることをおすすめします。
窓の種類
窓は大きく分けると6種類存在します。
種類 | 気密/断熱 性能 | 開口 |
---|---|---|
FIX窓(はめごろし窓) | ||
縦すべり出し窓 | ||
横すべり出し窓 | ||
上げ下げ窓 | ||
引き違い窓 | ||
掃き出し窓 |
気密/断熱性能ではFIX窓やすべり出し窓が優秀です。
性能を重視しつつ、目的に合わせて設置する窓を選びましょう。
- 明かり取り⇒FIX窓
- 外に出れなくていいけど、開け閉めしたい⇒縦すべり出し窓、横すべり出し窓
- 外に出れなくていいけど、大きめの開口が欲しい⇒引き違い窓
- 窓から外に出たい⇒掃き出し窓
- おしゃれ重視(掃除は大変)⇒上げ下げ窓
まとめ
窓は家の性能に大きく影響するため、選び方を失敗しないように注意が必要です。窓の性能を担保するために確認すべき項目は、「サッシ」「ガラス」「中空層」「スペーサー」の4つ。
- サッシ:オール樹脂サッシ
- ガラス:Low-Eペア(大きな引き違い窓はLow-Eトリプル推奨)
- 中空層:アルゴンガス
- スペーサー:樹脂
窓の仕様はハウスメーカーごとにある程度決まっていて、あとから家全体で変更(グレードアップ)しようとすると多額の追加費用が発生します。
必ず窓の標準仕様を確認した上で、ハウスメーカーを絞り込むようにしましょう!
関連記事:【29社のC値・UA値を徹底比較】高気密/高断熱ハウスメーカーおすすめランキング4選
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