積水ハウスの床暖房は必要？費用やメンテナンスの実態を徹底解説

せっかく憧れの積水ハウスで注文住宅を建てるなら、冬も足元からポカポカの快適な暮らしをしたいですよね。展示場で体感したあの暖かさは忘れられないものです。

でも、見積もり書に記載された数十万円のオプション費用を見て「本当に必要なのかな？」「エアコンだけでもいけるんじゃない？」と迷ったまま決めてしまうと、住み始めてから「やっぱり足元が冷える」「修理代が高すぎて払えない」と後悔することになるかもしれません。

実は、僕も自宅の仕様を決めるとき、床暖房を採用するかどうかは最後の最後まで悩みました。決して安い買い物ではないですし、毎月の電気代やガス代といったランニングコストも気になりますからね。「贅沢品かな？」と何度も自問自答した経験があります。

この記事を読むと、あなたのライフスタイルに床暖房が本当に必要かどうかが明確になり、費用対効果に納得した上で仕様を決められるようになります。

ぜひ最後まで読んで、理想のマイホームづくりの参考にしてくださいね。

圧倒的な人気を誇る積水ハウスの床暖房導入メリットと価格

積水ハウスはその高い技術力とデザイン性で、多くの施主から圧倒的な支持を得ています。しかし、設備選定においては「何を優先するか」で満足度が大きく変わります。

ここでは、積水ハウスにおける床暖房の考え方や、導入にかかるコストの目安について、カタログには書かれていない実情を交えて詳しく解説していきます。

全館床暖房との違いから見る積水ハウスの快適な設計思想

ハウスメーカー選びでよく比較されるのが、「全館床暖房」を売りにする一条工務店と、自由設計が魅力の積水ハウスです。

一条工務店は「廊下もトイレも風呂場も全部暖かい」という性能特化型ですが、積水ハウスは基本的に、家中のすべての床を暖めるのではなく、家族が集まるリビングやダイニングを中心に、必要な場所だけに床暖房を設置するスタイルを推奨しています。

これは決して性能が劣っているわけではありません。廊下や寝室まで床暖房を入れるとコストが跳ね上がるだけでなく、積水ハウスが得意とする「無垢材のフローリング（朝日ウッドテックの挽板など）」や「大開口の窓（クリアビューデザイン）」といったデザインの自由度が下がってしまうことがあるからです。

特に無垢材は熱に弱いため、全館床暖房にすると選べる床材が極端に制限されてしまいます。あえて設置範囲を絞ることで、LDKの快適性は確保しつつ、他の部屋ではデザインや予算を優先するというバランスの取れた家づくりが可能になります。

積水ハウスの高気密住宅なら床暖房なしでも暖かいか検証

比較項目	エアコンのみ（床暖房なし）	床暖房あり
足元の暖かさ	床付近は冷えを感じやすい	足元から直接暖かい
室温のムラ	暖かい空気は天井に溜まりがち	ふく射熱で部屋全体が均一
肌の乾燥	風が当たるため乾燥しやすい	風がないため乾燥しにくい

「最近の積水ハウスは高気密・高断熱だから、エアコンだけで十分暖かい」という意見もよく聞きます。確かに、断熱等級5や6が標準化されつつある現在、昔の家のように「寒くて震える」ということはまずありません。しかし、「寒くない」のと「ポカポカして心地よい」のは全く別の感覚です。

特にエアコン暖房だけでは、暖かい空気が物理的に上にいってしまうため、どうしても足元にスースーする感じ（コールドドラフト）が残りがちです。これは「作用温度（体感温度）」の問題で、いくら室温が20℃あっても、床や壁が冷たいと体感的には寒く感じてしまいます。

また、急激な温度差はヒートショックの原因にもなり得ます。消費者庁も冬季の高齢者の入浴事故等について注意喚起を行っており、住宅内の温度差を解消することは健康維持の観点からも非常に重要です。（出典：冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています | 消費者庁）

積水ハウスの断熱性能に関する詳しい解説は、積水ハウスの窓の種類と特徴の記事も参考にしてみてください。高性能なサッシと床暖房を組み合わせることで、真冬でも極上の快適空間が実現します。

ライフスタイルに合わせて選べる床暖房の種類と特徴解説

積水ハウスで採用される床暖房のほとんどは「温水式」です。これは床下のパイプに約40〜60℃のお湯を循環させて部屋を暖める仕組みで、長時間使っても低温やけどのリスクが低く、マイルドな暖かさが特徴です。「頭寒足熱」という言葉通り、顔が火照ることなく足元からじんわりと温まります。

さらに温水式の中にも、お湯を作る熱源によって「ガス式」と「電気式（ヒートポンプ）」の2つの種類があります。ガス式はパワーがあり立ち上がりが早いのがメリットで、電気式は省エネ性能が高くランニングコストを抑えられるのが強みです。

電気ヒーター式はイニシャルコストが安い反面、電気代が高くなりがちなので、積水ハウスのような広いLDKを持つ家では、メインの暖房として温水式が選ばれることが一般的です。ご家庭のエネルギー事情（都市ガスかプロパンか、太陽光はあるか）に合わせて最適な方を選びましょう。

導入前に把握しておきたい床暖房の価格相場と初期コスト

気になる価格ですが、積水ハウスで床暖房を導入する場合、LDK全体（敷設率60〜70%程度）に入れると概ね60万円から100万円ほどのオプション費用がかかると考えておきましょう。この金額には、床暖房パネル本体、配管工事費、熱源機（室外機）の費用が含まれます。

さらに注意が必要なのは、「床材の差額」です。床暖房を入れる場合、熱による変形を防ぐために「床暖房対応」のフローリングを選ぶ必要があり、標準仕様の床材よりも単価が上がることがあります。

注文住宅の相場については、注文住宅の相場はいくら？の記事でも解説していますが、予算オーバーを気にして床暖房を削ると、後から「やっぱり入れておけばよかった」となっても簡単には追加できません。

既存の床をすべて剥がす大工事が必要になり、新築時の倍以上の費用がかかることもあるため、迷ったら新築時に決断することが何より重要です。

お得に設置するために積水ハウスのキャンペーン情報を確認

少しでもお得に床暖房を導入したいなら、積水ハウスが実施しているキャンペーン情報を逃さないようにしましょう。時期によっては「床暖房プレゼント」や「設備グレードアップキャンペーン」といった特典が用意されていることがあります。

特に、支店の決算時期（1月や7月など）や、全国一斉で行われる大型の完成見学会「住まいの参観日」などが狙い目です。また、ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）仕様にするために太陽光発電やエネファーム（家庭用燃料電池）とセットで導入することで、補助金が活用できたり、メーカー協賛の割引が適用されたりするケースもあります。

契約してしまった後では適用できないものが多いので、契約前に担当の営業マンに「今使えるお得なプランはないですか？」とストレートに聞いてみる価値は大いにありますよ。

積水ハウスの床暖房におけるメンテナンスや故障リスク詳細

導入して終わりではなく、長く快適に使い続けるためにはメンテナンスの知識が不可欠です。「床暖房はメンテナンスフリー」という言葉を鵜呑みにするのは危険です。ここでは、熱源機ごとの特徴や、将来必ずやってくる交換費用について包み隠さず解説します。

パワフルな立ち上がりが魅力のガス式床暖房の特徴と注意

ガス式の最大の特徴は、その圧倒的なパワーです。ガスの燃焼熱でお湯を一気に沸かすため、電気式に比べて部屋が暖まるまでの時間が短く済みます。「寒い外から帰ってきて、すぐに暖まりたい！」というご家庭や、朝の短い時間だけサッと温めたい共働き世帯には非常に適しています。

また、ガス衣類乾燥機「乾太くん」やエネファーム（家庭用燃料電池）を採用する予定があるなら、ガス管を引き込む工事費を一本化できるため、トータルでの導入ハードルは下がります。

ただし、注意が必要なのはランニングコストです。特にプロパンガス（LPガス）の地域ではガス代が高額になりやすいため、冬場の請求額に驚くことになるかもしれません。都市ガスエリアであれば比較的安価に使えますが、事前のシミュレーションが必須です。

省エネ性能が高く電気代を抑えるヒートポンプ式の経済性

項目	ヒートポンプ式	ガス式（都市ガス）
エネルギー効率	非常に高い （COP3〜4）	普通 （燃焼効率）
ランニングコスト	安い （深夜電力活用も可）	普通〜高い
導入コスト	やや高い	比較的安い

ヒートポンプ式は、エアコンと同じように空気中の熱を集めて圧縮し、その熱でお湯を作る技術を使っています。投入した電気エネルギーの3〜4倍の熱エネルギーを生み出せるため、ガス式に比べて毎月の光熱費を大幅に抑えることができます。

特に太陽光発電を搭載している積水ハウスの住宅とは相性が抜群です。昼間に発電した電気を使えば、実質タダで床暖房を稼働させることも夢ではありません。最近は電気代が高騰していますが、ヒートポンプの高効率性はそれを補って余りあるメリットがあります。

初期費用はガス式より少し高くなる傾向がありますが、30年という長いスパンで見れば、ランニングコストの安さで元が取れる経済的なシステムと言えます。

オール電化住宅で採用したいエコキュート連携のメリット

オール電化住宅を検討しているなら、給湯器であるエコキュートと床暖房を連携させるのが最もスマートな方法です。通常のエコキュートとは異なり、「床暖房機能付き」のモデルを選ぶ必要がありますが、室外機を1つにまとめられるため、家の外観もスッキリします。

しかし、これには大きなデメリットも潜んでいます。お風呂やキッチンで使う生活用水のお湯と、床暖房で使う熱源を一つのタンクで管理することになるため、床暖房を使いすぎるとお風呂のお湯が足りなくなる「湯切れ」のリスクがあるのです。

家族の人数が多い場合や、シャワーを頻繁に使うご家庭では、大きめのタンク容量（460L以上）を選ぶか、床暖房専用のヒートポンプユニットを別に設置する方式を検討した方が、ストレスなく生活できるでしょう。

長く安心して使うために必要な床暖房のメンテナンス頻度

床暖房は一度設置すればメンテナンスフリーだと思っている方も多いですが、実は定期的なメンテナンスが必要です。特に温水式の場合、パイプの中を流れる「不凍液（ロングライフクーラント）」が経年により減少したり、防錆効果が低下したりします。

不凍液が劣化すると、パイプ内で錆が発生したり、循環効率が悪くなって暖まりにくくなったりするだけでなく、機器の故障原因にもなります。メーカーにもよりますが、およそ10年を目安に不凍液の補充や交換が推奨されています。

積水ハウスのアフターサポートは業界でもトップクラスに充実していますので、10年点検などのタイミングで必ずチェックしてもらうようにしましょう。「暖まるから大丈夫」と放置するのが一番危険です。

万が一のトラブルに備える床暖房の故障リスクと修理費用

床暖房で最も恐ろしいのが「故障したら床を全部剥がさないといけないの？」という不安ですよね。結論から言うと、床下のパイプ自体は架橋ポリエチレン管などの高耐久素材が使われており、釘を打ち込むなどの物理的な破壊がない限り、水漏れすることはまずありません。この点は安心してください。

しかし、お湯を作る「熱源機（室外機）」はエアコンや給湯器と同じ電化製品なので、必ず寿命が来ます。一般的には10年から15年で交換が必要となり、その費用は約40万円から60万円前後と非常に高額です。

エアコンなら1台10万円程度で済みますが、床暖房の熱源機交換は車の買い替え並みの出費となります。「そんなにかかるとは聞いていない！」とならないよう、この将来のコストをあらかじめ修繕積立金として確保しておくことが、後悔しないための最大のポイントです。

まとめ｜積水ハウスの床暖房で理想の住環境を手に入れよう

積水ハウスで床暖房を採用することは、単に部屋を暖めるだけでなく、家族の健康と豊かな暮らしへの投資になります。僕自身、床暖房のある生活を知ってからは、もうエアコンだけの暖房には戻れないと感じています。

しかし、導入コストだけでなく、10〜15年ごとのメンテナンス費用もしっかり把握しておくことが重要です。後悔しないためには、以下のポイントを整理して決断しましょう。

積水ハウスの担当設計士さんとよく相談し、あなたのライフスタイルに最適なプランを作り上げてくださいね。